2022年1月、日本への帰国前PCR検査で陽性となり、カンボジアで隔離施設に収容された。施設での治療と隔離、2回のPCR検査での陰性確認を経て、無事に釈放されたところまでが、前回までのあらすじ。
このまま日本に帰れると思いきや、まさかの延長戦に突入。意外と知られていないけど、自分と似たような経験をしている人もそれなりにいる「再陽性ループ」という罠があることを知った。
2度目の出国チャレンジ
準備は万端
10日間の隔離生活を終えて家に戻ると、やっぱり開放感!
隔離中は、心のスイッチを切っていたので、あまり何も感じなかったけど、ビールが飲めるのも、一人でマスクなし生活できるのも、料理ができるのも、洗濯機が使えるのも、シャワーの水量が強いのも、何もかも快適だ。
さすがに、もうまっすぐ日本に帰りたい、と帰国前PCRに向けて、コンディションを整えつつ、家で籠城生活をしていた。一度、感染したらしばらくはかからないといわれているし、これで準備万端だろう、と笑
仮釈放⁉︎
隔離施設を出てから数日後、最短で帰国するために、保健省が実施している帰国前PCRを受診。そして、まさかの陽性判定!
「え、自分、この間、釈放されたばかりなんですけど?」
この時は、正直、頭のなかでは?マークしか浮かばない笑 しかし、なんど読み返してみても、検査した結果「陽性」と書かれている。。。
確率25%
数日前に施設を出て、シャバの開放感を知ってしまった身としては、正直、再収監はイヤだ。
しかも、前回は素直に受け入れたけど、自分が隔離された理由が、ちょっと意味がわからない。必ずしも全員を隔離している訳ではないし、自宅療養も認められているにも関わらず、「市中感染者のうち、4人に1人の割合で施設で隔離しており、それに選ばれた」という説明を施設のスタッフがしていた。
本当なのかどうなのかは正直わからない。
2度目の隔離生活
強制隔離に備える
前回の記事で紹介した、強制隔離の必須アイテムのリストを見ながら、呼び出しに備えて準備を始める。このリストは「自分」が使うためじゃなくて、「他の誰か」のために作ったんだけどなー、と心の中で愚痴りながら笑
航空券、ホテル、ハイヤーのキャンセルと、仕事関係者への連絡を、2週間前と同じように淡々と進める。ほんとデジャブ。
待つのみ
「呼び出しを受ける」というのはわかりやすいけど、「呼び出しがない」のを確かめるのはとても難しい。
なぞの確率25%という可能性もある。正直、陽性だったのですが、自首した方がいいでしょうか?と保健省に問い合わせるなんて、ヤブヘビの予感しかしない笑
念の為、自首がルールであれば従うしかない。しかし、その時点で調べたところ、軽症であれば陽性者は在宅隔離が選べる、と書かれているだけで、それ以上の情報はなかった。そもそも自分の検査結果は、保健省のラボが出したのだし、そこのスタッフから家に帰るように、と言われたのだ笑
こうなるとできる選択肢は、自主的な隔離を継続、しかない。
終わりのないループ
再陽性トラップ
自主的な隔離を続けること数日。音沙汰なし。正直、このまま放置される予感がビンビンにしている。
その間、ネットで調べてみると、「再陽性」というケースがあるということを知る。
再陽性とは、コロナで陽性になって治療を終えても、一部の人はPCR検査で陽性となってしまう、という現象らしい。というか、そもそも感染から14日程度では、PCR検査では陽性とでることが多い、という情報もある。
発症からの感染可能期間と再陽性症例における感染性・二次感染リスクに関するエビデンスのまとめ
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/10174-covid19-37.html
実際にコロナで陽性となって治療を終えた従業員に対して、一部の企業が、業務に復帰する条件としてPCRで陰性であることを示すように求めて問題になっているらしい。上述のとおり、感染力がなくなったとしても、PCR検査をすれば陽性と出てしまう可能性があると。
これに関して、厚生労働省の「新型コロナウイルスに関するQ&A」で、業務復帰にPCRなど陰性証明を出すことは不要、と明記されている。
<検査結果の証明について> 問7 労働者を就業させる上で、労働者が新型コロナウイルス感染症に感染しているかどうか確認することはできますか。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html#Q10-7
帰国前PCRは無限の可能性
国内の対応では、完治の確認に必ずしもPCRが必須ではない。しかし、2022年2月時点では、日本に帰国するには「PCRで陰性を証明」しなければならない。
つまり、体から、ウィルスの残骸が抜け切るまで待つしかない。
しかも、体調が悪いから検査を受けた訳ではなく、帰国のために受ける検査で「陽性」判定が出続けるという恐怖もある笑
こんな再陽性ループに自分は囚われてしまったようだ。
大きな問題
強制隔離に招待されてしまうんじゃないか?とか、再陽性ループはいつまで続く?という悩みのほか、もう一個、現実的な問題があった。
自主隔離の終わりはいつ?
自分は、コロナで陽性となり、10日間の隔離施設での治療を受けている。しかし、その後の出国前PCR検査で、再び陽性となった。この場合、いつまで隔離したら自分は再びシャバ(通常の生活)に戻れるのだろうか?
1回目の陽性者であれば、カンボジアの保健省が示した対応方針が公開されている。では、運悪く(?)PCR検査を繰り返して再陽性となってしまった人たちは、もう一度、フレッシュな気持ちで最初から隔離を繰り返すのか?
帰国前PCRを受けるための条件は?
「自主隔離の終わり」が、「帰国前PCR検査」を受ける条件になっているようにも思えて悩ましい。
保健省に「帰国前PCR検査」を受けに行っても、自主隔離が終わっていないと判断されて、隔離違反でペナルティと絡まれるのはイヤだ。
これが強制隔離された前回であれば、隔離終了時に保健省名義の「釈放証明書」が渡されるので、隔離の完了は明らかだ。
現地のルール
調べてみたけど、再陽性の場合の隔離手順、といった情報には辿り着けなかった。この場合、一番安全な方法は、すでに保健省が示している(初感染の場合の)隔離ルールに従うことだ。
ワクチンを接種済みの場合で、隔離開始6日目以降、症状がない場合には、隔離9日目に簡易検査キットで陰性なら、自主隔離を終えることができる…
https://www.khmertimeskh.com/50959497/moh-ends-at-home-quarantine-for-recovered-patients/
2度目の陽性から、9日間も自主隔離をしなければならない点は、ちょっともどかしいものの、そもそもPCR検査を受けてもウィルスが残っていて、また陽性になってしまっては意味がない。
コロナ禍で減便中のフライトは、満席で予約がなかなか取れなくて、最短で予約できる次のフライトが2週間後ということもあり、9日というのは自分的にはちょうどいいインターバルに思えた。
電話窓口の回答
コロナへの対応は流動的で、変わる可能性も大きいということを前提に、自分が教えてもらった時点では、保健省の電話窓口による帰国前PCRで陽性になった場合の再チャレンジのルールはこちら;
- 自分で簡易キットを使って陰性を確認
- 簡易キットで陰性を確認後、帰国前PCRを予約
- 簡易キットで陰性を確認する前までの隔離日数に関する指定はなし
確かに、カンボジアでは、スーパーや薬局で簡易検査キットが売られているし、自分もすでに手元にもっている。これで陰性を確認できればいいらしい。
念の為メールしてみる
2度目の陽性から9日が経過し、簡易キットで行った自主検査の結果は陰性。この段階で、カンボジア国内のルールで隔離は不要となった。
という訳で、自分から保健省に問い合わせても、今さら強制隔離になる可能性はほぼゼロなハズ。
電話窓口の情報では、帰国前PCRの「予約」が必要と言われている。通常は、保健省の帰国前PCRは予約不要で、行けば受けられるのだけど、念の為にメールしてみた。陽性になったこと、隔離治療の経過、2度目の陽性とその後の隔離について、時系列で説明しつつ、帰国前PCRを受診したいとメールしてみた。
このメールに対する返信はない笑
返信がないなら、直接、行くしかないよね。
3度目の出国チャレンジ
念願の陰性証明書
ちゃんと検査を受けされてもらえるか?自主隔離が完了していない!と言われて検査受けられなかったりしたらイヤだな、、、と思いながら列に並んだものの、無事に何事もなく3回目の帰国前PCR検査を受診。
検査を受けられて一安心笑
その翌日、1ヶ月近くのびちゃったけど、とうとう念願の陰性証明書を入手!
やっと手に入った。
陽性になった後にできること
PCR検査で陽性となったあと、自分のように2週間程度では、症状がでなかった(or 治った)としても陽性となる可能性はあるようだ。特に、治療中に投薬されてる場合、薬でウィルスが抑えられている、という可能性があるのかもしれない。
これを踏まえると、カンボジアのように簡易検査キットが市中で購入できる場合には、PCR検査を受ける前に、自主的に簡易検査キットで陰性となるか検査してみるのがいいと思う。結果次第で、その時点でPCR検査を受ける価値があるかを判断してみてもいいかもしれない。