カンボジアの移動手段「トゥクトゥク」はスマホで予約:日本よりも便利な配車アプリでみる、途上国ビジネスのスピード感

途上国の生活は不便、そんな風に思っている方も多いと思います。

しかし、ここ数年で急速に普及したスマホを中心とするITサービスの分野では、日本よりも便利なサービスが広く普及していることもあります。

今回の記事では、カンボジアで、スマホのトゥクトゥク(三輪タクシー)の配車アプリを使って安く、簡単に移動する方法をご紹介します!

ちょっと前までのトゥクトゥクは値段交渉から(~2017年まで)

東南アジアのトゥクトゥクに乗ったことのある方なら、目的地に行くまでにまずはドライバーとの値段交渉だよね、という方もいらっしゃると思います。

値段交渉が楽しいとも言えますが、まぁ、外国人の旅行客相手に交渉してくるドライバーですから、なかなか値切るのも大変ですし、値切ったとしても高い、といった印象でした。

空港では、初めてカンボジアにやってきた旅行者がぼったくりタクシーに乗らないように、という配慮からか、定額制のチケットもあり、プノンペン市内までトゥクトゥクで9ドルの固定相場制でした。

市内の移動は、ちょっとした3~4kmくらいの距離なら、4ドルくらいがトゥクトゥクの相場だったように思います。値段交渉を結構頑張っても、3ドルになるかどうか、というくらい。

市内を何度も移動するような場合、知り合いのトゥクトゥクのドライバーに頼んで、半日借り上げで15~20ドルが結構割安な選択肢でした。

IT化の波が突然押し寄せる:スマホ配車アプリの普及

2017年の秋~冬にかけて、日本でも話題となったUberの他、GrabPassApp の3社がカンボジアで配車サービスを一斉に開始しました。

2018年の年明けプノンペンを訪問した時に、友人から「絶対に配車アプリ入れた方が安いよ」と教えてもらい、すぐにスマホにアプリをインストール。トゥクトゥクを簡単に呼べることに加えて、値段もびっくりするくらいに安くなっていて、本当に驚きました。

価格破壊

以前に4ドルくらいかかっていた 3~4km の乗車料金を、今実際にアプリを見ながら調べてみると、5,000リエル(1.25ドル)。トゥクトゥクのドライバーを呼び止めては値段交渉をしていた時から1/3と驚きの価格差。

目的地もアプリで入力

目的地もドライバーに直接口頭で伝えてもOKですが、言葉がうまく通じなくても大丈夫、アプリ上で目的地の設定もできます。目的地がうまくドライバーに伝わらなくて遠回りしてた頃が懐かしいw

価格破壊でもサービスは継続

こんなに安くなってしまってドライバーは仕事として成立するのか?と正直不安に思ってましたが、少なくとも2019年夏現在、サービス開始からまだ2年も経っていませんが、プノンペン市内であれば、GrabもPassAppも簡単につかまります。

サービス展開の速さ

今回の配車アプリは普及の速度も速かったですが、他方で、撤退の判断も早かったです。2017年10月にプノンペンでトライアルサービスを開始したUberですが、翌年2018年3月にはカンボジアからの撤収をアナウンスしています。

GrabとPassAppで何が違うの?

ユーザーとしての体感は、ほぼ同じ。下記のスクリーンショットのようにアプリの利用画面も似ています。価格差はほとんどありません。

他方で、昔からカンボジアにあったバイクが台車(客車?)をけん引するタイプのトゥクトゥクを使いたいならPassAppの方が登録台数が多く、すぐにつかまります。

これらの配車アプリの普及と同時に増えた3人乗りの小型トゥクトゥクなら、捕まえやすさ&値段は同等といった印象です。実際に、多くのドライバーは、GrabにもPassAppにも登録していますし。

ただ、カンボジアの大型連休中とか、ドライバーもお休みに入るタイミングだと、PassAppのほうが捕まえやすい印象です。

他方で、Grabの方が便利な点としては、クレジットカード払が選択できることです。毎回、利用するたびに現金で支払う必要がないので、私はGrabをよく使っています。

Grab(左)とPassApp(右)の利用画面

途上国では爆発的にサービスの普及が起きる

ビジネス展開として、日本などの先進国で普及したものが、徐々に途上国に広がる、そんなイメージが通用しないビジネスモデルもあります。

実際に今回ご紹介した配車アプリは、日本よりもずっと使い勝手がよいサービスがカンボジアで展開されています。

カンボジアを含む多くの途上国では、固定電話が普及するよりも早く携帯電話が普及しています。カンボジアでは、2019年現在、携帯電話の普及率は100%を超え、人口の半数はスマートフォンを持っていると言われています。

日本では、2019年現在、85%ほどと言われていますが、50%を超えたのは2013~2014年頃とつい最近です。

このように比較してみると、ITを主体とするサービスの分野では特に先進国と途上国といった境目はますます小さくなってきていると感じます。

まずは現地に!

市内の移動も配車アプリで便利になったプノンペンに、まずは是非一度きてみてください!

カンボジアで私たちが進めている事業についても、近いうちにご紹介させていただきます。

<関連リンク>

Grab: https://www.grab.com/kh/en
PassApp: http://www.passapptaxis.com/

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